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エクシェルタの死神教会議事録

デュエルマスターズ、アニメなどの記事を書かせて頂きます。

D.M小説 黒の章「涙のジェニー」

オリジナル小説 デュエルマスターズ 恋愛

私は独りだ。親は事故で死んだ。親戚の叔母様に引き取って貰えたけど叔母様は一切私に構うことはなかった。

学校ではいじめられた。男子からは人形みたいで気持ち悪いやつと罵られ、女子からは「あんたが可愛いなんて生意気」と毎日いたぶられた。

それが小学校から中学校の卒業式まで続いた。

先生や警察にいえばすぐに助けてくれただろうけど、言ったら殺すと脅してきた。

だから誰にも相談出来なかった。

そして、中学卒業と同時にイギリスを出て、日本に留学した。

わりと簡単に叔母様は許してくれた。やはり、面倒だったのであろう。

日本に来てからこの花見園学園に入学した。

そこからは注目の的。

いろんな話題でごった返した。

それを馬鹿にする男子もいなければ嫉妬する女子もいない。

日本はとても良い国だ、そう思った。

しかし、ある日こう言われたのだ。

「ジェニーちゃんって人形みたいだよね」と。

私は目を見開き大声で「やめて!」と言ってしまった。

それからクラスの人たちが私に声をかけることはなかった。

引いてしまったのだろう。多分嫌みでそう言ったわけではない。分かってる。

でももう一度あんな目に会うなら独りの方が良い。そう割りきっている。

そんな私でも彼女だけは放したくない。

だって彼女は私のたった一人の-

「ジェニーこの問題とけるか?」

「はっ」

気がついたらここは教室だった。

さっきまで霞と一緒に廊下を歩いていたのに。

「おいおいボーっとするなよ。テストも近いんだから」

「す、すみません」

彼は数学の教師である白銀研太先生。生徒全員をファーストネームで呼び、生徒の話を良く聞いてくれるちょっと変わった先生。

「分ければよし。じゃあこの問題を、ん?」

そう言うと一目散に窓側端の一番後ろに向かった。

その席は私の親友の席だった。

「ふにゃ~」

その親友は気が抜けるような寝息をたてながら朗らかな日光に包まれていた。

「こらっ」

バシッと出席簿を霞の頭にぶつけた。

「ふぎゃ!」

 腑抜けな悲鳴が教室に上がった。

「授業中だぞ、何してるんだ?」

「ほえ~、はっ!」

どうやら授業中であったことも忘れていたらしい。

「ごごご、ごめんなさい!」

霞は顔を真っ赤にしながら涙目で頭を下げた。

「たく、お前は抜けてると言うか、天然と言うか」

「ごめんなさい、ごめんなさい!」

「お前って国語と理科と社会と英語の点数は良いのに何で数学だけっ」

そう言い終わる前に先生は床に膝をついた。

「ど、どうしたんですか?」

私は急いで先生の方へ行った。

「ま、まさか俺の授業が分かりにくいのかっ」

「「へ?」」

私と霞の声が重なった。

「こんなんじゃ皆の理想の教師になれない!」

「ちょっと先生」

「俺は授業の修行の旅に出てくる!」

ウォォォォっと先生は教室を出て廊下を全力疾走した。

「ちょっと白銀先生! 何をしとるんですか!」

「げっ! 校長!」

校長先生とのやりとりが廊下ごしに聞こえてきた。

「まだ授業中でしょう! 何で、授業そっちのけで廊下を走っているんですか!」

「いや、これは授業の修行に」

「言い訳無用! 校長室まで来なさい!」

「ぎゃぁぁぁぁ!助けてぇぇ!」

ずるずると校長室まで引き摺られて行った。

その間教室では爆笑が響いた。